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ANA大規模システム障害に思うこと
私もIT屋の末席を汚す者として、今回の27日に発生したANAの大規模システム障害についてちょいと記しておこうと思う。

まず、最初に言っておくけど、そこらじゅうのブログやTV画面から聞こえてきたこの言葉が大嫌いだ。
機械に頼りすぎた
メガネは顔の一部だが、機械もまた人類の一部なのだ。メガネが壊れて周りが見えなくなっても「メガネに頼りすぎた」とは言わない。

不測の事態である。一時的に目が見えなくなるのは防ぎようが無い。が、もう一つメガネを用意しておけばダウンタイムは最小に抑えられた。

病院などの医療系システムでは、診察予約や待ち時間表示など患者さんが直接目にするものの他、レントゲンや注射などのオーダー、カルテそのもの、最終的な請求書発行などなどがシステム化され、これらの処理に必要な工数の大幅削減を実現している。これによって医師はより診察に時間を割くことができ、患者はイライラせず、病院は人員削減しても利益をあげられる。しかし、ひとたびシステムダウンとなった場合、オーダーできないので注射も薬も出せませんでは話にならない。しかし、安心して欲しい。このような事態が発生した場合、オーダーなどを紙に書いたもので代用する手順が確定しており、地震・火災の避難訓練以外にもシステム障害時の訓練を定期的に行っているので、処理スピードは落ちるものの全面ストップはあり得ないのである。

じゃぁなぜ病院は訓練までしてバックアッププランを練っているのか。答えは単純だ。それがなければ
人が死ぬかもしれないのだ
管理人はかつて固定電話のシステムを作っていたことがある。固定電話は皆が思っている以上にシステムダウンが許されないシステムなのだ。なぜなら、電話が通じなくなった時何がおきるか。緊急の搬送が必要な人がいるのに救急車を呼べなくなる。今まさに犯罪者に襲われようとしている人が110番出来ない。電話が通じなくなると、これらの助けを必要としていた人々が死んでいくのである。電話のシステムに携わっていたエンジニアは皆それを肝に銘じ、緊張感を持って仕事していた。

時代は固定からモバイルに移り、携帯電話のシステムとなったとき、驚いたのは「まぁもともと良く切れるし、固定電話があるし、落ちてもいっか」的な雰囲気が蔓延していたことである。特に若手がそうだった。

今や携帯できるが故に緊急通報は携帯電話からがほとんど。かつてのような甘えは既に霧消し、「システム停止=誰か死ぬかもしれない」という緊張感に包まれ品質は安定してきた。

ANAシステム企画や日本ユニシス。今回の事件は彼らにそういう緊張感を抱かせる「不幸中の幸い」になるのだろうか。ルーチングの話が出てたのでロードバランサーの不具合なのか、システム本体の不具合なのか良くわからないが、それはそれで直してもらうとして、ANA本体には是非、今回のような異常事態が発生した際、いつどのタイミングで非常事態モードに切り替えるか、切り替わったら何をどういう手順で処理するか、など事前に策定、さらに全従業員から、こうすれば良かった旨のカイゼン点をヒアリング、客からの苦情・励ましを分析し、それらをマニュアルにして定期的な訓練を実施してはいかがだろうか。

そのとき、私は喜んで「なぜか1日に10フライトも予約をしていて、JALにエンドースしろとかホテル代を出せとか、なんで19番カウンターを一般開放してるんだここは非常時でもSFC/PLT/DIAだけにしろ、チェックインできなくても中のSignetに入れろとゴネまくる客」の役を引き受けましょう(笑)
(2007年05月29日 01時15分 さわけん)


2007/05/29 01:40 元SQ修行僧
IT系の識者のBlogでは、ANAの対応は概ね評判良かったですよ。
解ってる人はわかってらっしゃるようで。
2007/05/29 02:13 yo
確かに初動は??という面はありましたが、その後の対応はセオリー通りだったと思います。
ちなみに、3月期決算短信にちゃんとリスク情報が書いてあるぐらいですので、緊急時対応計画は
事前に作成されていると思うのですが…。
(以下、決算短信より抜粋)
>IT(システム)リスク
> 航空運送事業は、予約販売、搭乗手続、運航管理、業務管理等の運航に必要な業務をシステムを通じて
>実施しており、システム依存度が高い業種といえます。かかるシステムに障害が発生した場合または通信
>ネットワークに障害が発生した場合、運航の維持が困難になるとともに、信用失墜により当社グループの
>経営に影響を及ぼす可能性があります。
 ※出典:http://www.ana.co.jp/ir/kessan_info/kessan_tan/
2007/05/29 08:13 旅人
> 「なぜか1日に10フライトも予約をしていて、~とゴネまくる客」の役を引き受け

修行僧総出で協力したいですね(笑).
「INTに乗り継ぐのに間に合わねーぞ,ゴルァ!」とか言う人も必要でしょうか?

JALに乗ってもいいけど,マイルはANAに…とかいう要望を言う,とか.
システムがやばい時には,これは難しいのかなぁ….システム不具合で,ANAとJALの両方に付いたりして(爆).
2007/05/29 10:42 こまぴん☆ミ
異常時の乗客側のマニュアル、あったほうがいいかもしれませんね。
特割で予約していた便が欠航した場合、エンドースしたほうがいいのか、オープン券に化けさせたほうがいいのか、ホテル代出させて次の日乗ったほうがいいのか。。。
今回のような場合は、あまり役に立ちそうもありませんが。
2007/05/29 11:45 ルーク
今回のように、全社的トラブルを想定するなら、
地方空港、津々浦々まで対応の訓練が必要ですよね。
最近飛行機利用を始めた航空初心者の多い空港では、
(神戸空港のことです)
ひとたびトラブルが起これば、グランドの担当者も説明するのに大変そうですし。

気候や、機材やりくりによる欠航でも、
素直に理解を示す客が、通常でも多いような気がします。
ぜひ、全エリアでの訓練を望みます。
2007/05/29 11:48 ルーク
ごめんなさい。

(正)素直に理解を示さない~、が主旨でした。

失礼しました。
2007/05/29 23:29 さわけん
対応マニュアルが既に存在しているのは当然で、今回もそれに従ったのもわかるんですけどね。それがあっても結局あれだけのサービスダウンタイムが生じてしまったわけです。このダウンタイムをもっと短くする方法はなかったのか、お客様をよりうまく誘導する方法がなかったのか。1分につき人一人死ぬんだ位の気持ちで、知恵絞ってダウンタイム短縮を実現する手法を考えて欲しいなぁと思った次第です。

例えばね、カウンターの長蛇の列。カウンターで一悶着してるお客たち。カウンターの数とそこに配置できるGHの人数は上限があるのだから、ヘルプで到着したGHには行列しているお客様たちに先頭から一人一人事前にどうしたいのか話を聞く。話を聞いた上で、結局どうしたいのかを把握し、最終決定を意味する合言葉的な簡潔な言葉を教えるか、もしくは紙に書いてお客様に渡しておく。そのお客様はカウンターでそれをカウンターのGHに伝えるor見せるだけ。こうすればカウンターであーだこーだ時間がかかることもなくなる。これ、そのまんま混んでるマクドナルで事前に注文を取ってしまう方法そのものだったりします。

こまぴんさんが書いた「乗客側のマニュアル」、これは必要かもしれませんね。どれだけANA側でプロセスを
改善したとしても、一般のお客さんにしてみれば「え?まじ?JALに振替輸送なんて出来んの?」「オープン券?なにそれそんなこと出来んの?」な人がほとんどな場合、うまく歯車が回らないかもしれません。その知識をFace To Faceで事前に教えるのが上に書いたGHそのものだし、「お客様都合以外のキャンセルの場合、こんなことができます」という号外を配るのも手かな‥‥

何気に私が「エンドース」という制度も言葉も知ったのは1月の初修行の日に高僧様にご教授していただいた時だったりします。
>JALにエンドースしろ
そのうち、対馬や八丈でこう言う訳の判らん僧が出現しそうで(汗)
2007/05/31 03:03 774
>これによって医師はより診察に時間を割くことができ
残念ながら、できません。
病院に導入されつつあるITシステムは多くの場合POSの考えに沿っており、今まで裏方が人力で行っていた事務処理を機械と現場に代行させるようになっています。その結果、現場では一人あたり五分だった診察時間が四分+コンピュータ操作三分=計七分へ、といった感じになっています。

>オーダーできないので注射も薬も出せませんでは話にならない
これはそのとおりなのですが、

>地震・火災の避難訓練以外にもシステム障害時の訓練
恐ろしいことに、行われていません。

>処理スピードは落ちるものの全面ストップはあり得ない
これを支えているのは、現場の過重労働と過去の経験です。
ANAの場合と異なるのは、
1.病院の場合はシステム導入からまだ日が浅く、多くの職員がまだ手書き伝票だった時代の経験を共有している
2.診療現場では日常的に緊急/準緊急/不急の判断が(主に)病院側の決定で行われており、緊急以外は後回しにできる
ことです。
2007/05/31 03:25 こまぴん☆ミ
異常時の対応は、その時の状況に応じた対応になるでしょうから、マニュアル化するのは難しそうですが、でもある程度のパターン化は出来そうですよね。ここにいる皆さんの体験談をまとめれば、異常時乗客マニュアルが出来てしまうかも?!
2007/05/31 09:38 許せん
はじめまして。こんにちは、富山在住の者です。
>ANAの場合と異なるのは、
>1.病院の場合はシステム導入からまだ日が浅く、多くの職員がまだ手書き伝票だった時代の経験を共有している
そうですね、オーダリングシステム導入前は気送管(エアシューター)で伝票を送り、電子カルテ導入前は天井裏を通る搬送台車がカルテを運んでいました。(関係ないですが、バンコクの某病院ではローラースケートをはいた女性職員がカルテを持ってスイスイ動き回ってます)

ただ、ANAの搭乗ゲートでも気送管(エアシューター)が利用されているのを見て驚きました。病院以外にはラブホテルくらいしか利用されていないのかと思い込んでたのですが。これは、システム障害対策という意味もあるのでしょうか。
2007/06/04 21:54 うきひこ
今日、ANAから詫び状が届きました。
これって、当日予約を入れていた人全員に送られたのでしょうか?
ANA MILEAGE CLUBのロゴの入った白い封筒の中に
営業推進本部長名で以下のような手紙が入っていました。
----------------------------------------------------
ANAマイレージクラブ会員の皆様へ

5月27日のシステム障害による欠航・遅延発生に関するお詫び

謹啓 時下、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
平素よりANAグループに格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、5月27日(日)の弊社予約・チェックインシステム等の不具合により、当日の国内線運航に
おきまして、多数の欠航・遅延が発生いたしました。

ご予約をいただきましたお客様並びにご関係者の皆様の大切なお仕事やご旅行等に、多大なる
ご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。

システム障害により、定時運航に大幅な支障をきたしましたことは、弊社といたしましても、
公共交通機関としてあってはならないことと深く反省する次第でございます。

今後、再発防止に努めてまいりますので、何卒ご寛容賜りますようお願い申し上げますとともに、
引き続きご愛顧賜りますよう心よりお願い申し上げます。
                                       謹白
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